犬匠堂 は、現在準備中です。
2026/04/19 18:37
きっかけは、当時働いていた職場の近所で出会った、一匹の年老いた黒柴だった。
その柴犬らしい可愛さと凛とした姿が同居する魅力に心を奪われ、「いつか黒柴と暮らしたい」と思うようになった。
そんなある日、ブリーダーのホームページで、一匹の黒柴の写真を見た瞬間――まるで雷に打たれたような衝撃が走った。
「この子だ。」
すぐに犬舎へ問い合わせをし、週末に船で徳島県へ向かった。
初めて訪れる土地で道に迷いながらも、ようやく犬舎へ到着する。
そして、初めて「虎太郎」と対面した。
一緒に生まれた兄弟もいた。
それでも、視線は自然とこの子へ向かっていた。
「可愛い。」
「思ったより小さい。」
「抱っこしたい。」
「今すぐ連れて帰りたい。」
「どれだけ大変でも、この子は自分が幸せにする。」
そう決意した。
そして2018年10月。
我が家に、小さくてとても愛らしい黒柴、虎太郎がやってきた。
「あれもしたい、これもしたい」
そんな夢をたくさん思い描いていた。
しかし現実は、甘くなかった。
柴犬特有の距離感。
甘えない、デレない、ときには無視。
柴犬との暮らしは決して簡単ではなく、なかなか心を開いてくれなかった。
そんな中で、唯一自由にできたのが「着飾ること」だった。
犬服や小物を買い集め、虎太郎に着せては楽しんでいた。
そして、そのとき気づく。
――柴犬に“本当に似合う”ハーネスが、ない。
もちろん、定番の唐草模様のハーネスも使っていた。
しかし「柴犬=唐草模様」という固定されたイメージに、ずっと違和感があった。
「違う、そうじゃない。」
人が自分に似合う服を選ぶように、
犬にも「その子らしさ」を引き立てる一着があっていい。
唐草模様だけではなく、その子に本当に似合う一着があるはずだ。
そう思い始めたのが、6年前。
それからずっと、“本当に似合う一着”を探し続けていた。
そして昨年。
初めて、虎太郎に似合うハーネスを自分で作ってみた。
身につけた瞬間、これまでのものとの違いがはっきりと分かった。
柴犬特有の凛とした佇まい。
ただ可愛いだけじゃない。
どこか誇らしげで、
思わず見惚れてしまうような存在感。
虎太郎が持つ柴犬らしい魅力を、この一着はとてもよく引き立ててくれた。
「たった一着で、ここまで変わるのか。」
「似合う」というより、“その子らしさが完成する”感覚だった。
既製品では感じたことのない、確かな変化。
「この子にはもっと似合うものがあるはず。」
そう信じて探し続ける飼い主様に、この感動を届けたい。
――和犬が持つ本来の魅力を、もっと引き立てる一着を。
それが、犬匠堂が生まれた理由である。